妖怪大好き芸人パップコーン大桶
こんにちは、妖怪大好きパップコーン大桶です。
突然ですが僕は妖怪が大好きなんですよ。この急な告白に皆さんさぞや驚かれたかと思います。それ以前にお前誰だよって思っていると思います。芸人です初めまして。
さて、皆さんあまり妖怪に興味が無いと思いますが、妖怪は知れば知るほど面白いものなんですよ。1人1人全く違う個性やエピソードを持っています。そこには昔からの日本人の想像力と茶目っ気が詰まっているんです。
と、いうわけで、このコラムではたくさんの妖怪達を芸人という視点から紹介していきたいと思います。みんなで妖怪を好きになりましょう! 強制的に!
妖怪「後追い小僧」
今回紹介する妖怪は『後追い小僧』です。

後追い小僧とは、山の中に現れる妖怪です。山の中を歩いていると、いつの間にか後ろをついてくる。ずっとずっとついてくる。なんだろうと思って振り向くと、木や岩の陰に隠れてしまう。再び歩き出すとまたついてくる。人に害を与えることなくひたすら後をついてくる。それが後追い小僧です。
ただただ後をついてくるあたり、とても妖怪っぽいですね。そしてこの後追い小僧、文献等にもうひとつ大きな特徴が書いてあります。
『時々前にいることがある』
あ、前にいちゃうんだ。後追い小僧という名前を自ら全否定してきました。完全なるアイデンティティの崩壊!
さらに、人を先導して道案内したりもするそうです。
これだけだと突っ込みどころしかないので、なんでそんなことをするのか想像してみました。妖怪を考えるときに大事なのは想像力ですよ!
後追い小僧が山道で人を見つける。後追い小僧さっそく後を追う。後追い小僧、満足。
しかし、人、山で道に迷う。人、立ち止まる。
後追い小僧、立ち止まられて後を追えない。後追い小僧、不満。後追い小僧、イライラする。
人、それでも歩かない。後追い小僧、なんとかして歩かせたい。
後追い小僧、閃く。道が分かれば歩くに違いない。
後追い小僧、人を追い抜いて道案内。道案内をするために前に出る。
結果、後追い小僧なのに前に!
多分こういうことでしょうね。
後を追うために前に行くとはなんという皮肉でしょう。本人も悔しいに違いありません。
『俺は本当は後を追いたいのに!』と思いながら前にいるんでしょうね。その矛盾に悶えながら前にいるわけですね。人が歩き出した瞬間すぐ後を追うでしょうね。
頑張れ後追い小僧!
ほら、妖怪って楽しいでしょ?
そこ、気持ち悪いって言わない。人間は図星が一番傷つきます。
でも、たまにはこうやって先人が作り上げた日本ならではのキャラクター達に思いを馳せるのも楽しいですよ。
山道で迷ったら後追い小僧が現れるまで立ち止まってみるといいかもしれません。それではまたー。